2019春の季語風景/2019年3月更新

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2019春の季語風景

今、俳句が静かなブームです。17音でつづられる季節の生活感あふれる映像感覚は、私たち日本人ならではの心象風景です。そこでご紹介します「2019春の季語風景」です。

≪ノミネートリスト≫

1「朧月夜」

2「春暁」

3「春雨」

4青饅

5「朝寝」

6「石鹸玉」

7「遍路」

8「焼山」

9「水温む」

10「鮎汲」

11「お水取り」

12「流氷」


1「朧月夜」

参考サイト:https://senkokugoshochi.com/haruru/oborozukiyo-lyrics-mean/

参考サイト:http://classic-midi.com/midi_player/uta/uta_oboro.htm

出典元:http://classic-midi.com/images/uta/CK200_M.jpg

出典元:https://senkokugoshochi.com/haruru/wp-content/uploads/2017/11/photo-img05-e1512048334254.jpg

インフォメーション:春の夜の月はやわらかく艶やかな感じがあります。そのような、おぼろにかすんで見える月夜のことを言いますまた、春の夜の、水分の多いしっとりした空気の中では、様々なものがぼんやりとにじんだように見えそのような状態を朧(おぼろ)と表現します。星朧、谷朧、海朧、庭朧、草朧、鐘朧、灯朧などと、色々な語とくっつけて用いることもしばしば見受けられます

例句:以下参照

・おぼろ夜や女盗まん計りごと/正岡子規「子規句集」

・詩神とは朧夜に出る化けものか/夏目漱石「漱石全集」

・朧夜や垣根の白き牡蠣の殻/寺田寅彦「寺田寅彦全集」

くもりたる古鏡の如し朧月高浜虚子


2「春暁」

読み:「しゅんぎょう」

参考サイト:https://tenki.jp/suppl/saijiki_shuuka/2015/04/15/1721.html

参考サイト:https://dot.asahi.com/tenkijp/suppl/2015041500025.html

出典元:https://storage.tenki.jp/storage/static-images/suppl/article/image/1/17/172/1721/1/large.jpg

出典元:https://dot.asahi.com/S2000/upload/350_2016030700053_1.jpg?update=20160307111102

インフォメーション:春の夜明けで。正確には暁は日の出前の未明をいい、夜の明ける気配はあるものの、あたりはまだ薄暗い状態です。同じ夜明けでも曙は暁よりも遅く、日の出前を表現していますまた「春暁」は、「暁(あかつき)」と「曙(あけぼの)」を含めた明け方を表わす季語ともいわれます。古くは、暁は夜明け前の薄暗さを、曙は明け方の様子を表していました。今では、暁から曙にかけてを明け方を表わす語として「春暁」と言っています。春の朝、明けてくる様子だけでも美しさはうつろっているのです。「春はあけぼの…」と詠った清少納言は、京都の山を白く縁どる朝霞(あさがすみ)を『春だなぁ…』と感じていたのでしょうか・・・

例句:以下参照

長き長き春暁の貨車なつかしき/加藤楸邨「寒雷」

ふるさとの春暁にある厠かな/中村草田男「長子」

春暁や人こそ知らね木々の雨/日野草城「花氷」


3「春雨」

参考サイト:https://hobbytimes.jp/article/20170220a.html

参考サイト:https://idea1616.com/harusame-haiku/

出典元:https://hobbytimes.jp/images/20170220a01.jpg

出典元:https://i2.wp.com/idea1616.com/wp-content/uploads/2017/09/img_59b5f97dcc8d6.png?fit=350%2C230&ssl=1

インフォメーション:春に降る雨の中でも、こまやかに降りつづく雨を言います。一雨ごとに木の芽、花の芽がふくらみ生き物達が活発に動き出します。「三冊子」では旧暦の正月から二月の初めに降るのを春の雨。それ以降は春雨と区別しています

例句:以下参照

春雨の木下にかかる雫かな/松尾芭蕉「小文庫」

春雨や蓑吹きかへす川柳/松尾芭蕉「はだか麦」

春雨の中を流るゝ大河かな/与謝蕪村「蕪村遺稿」

はるさめや暮なんとしてけふも有/与謝蕪村「蕪村句集」


4青饅

読み:「あおぬた」

参考サイト:https://www.asahi.com/articles/ASK164R5MK16PTFC00H.html

参考サイト:http://kigosai.sub.jp/archives/5227

出典元:https://www.asahicom.jp/articles/images/AS20170125002552_commL.jpg

出典元:http://kigosai.sub.jp/001/wp-content/uploads/2015/01/aonuta.jpg

インフォメーション:あさつき、辛子菜、分葱などを茹でて、蛸や貝などと一緒に酢味噌であえたものを言います。青味がまさったぬたが、名称の由来となっています。この青さに春の喜びを感じさせてくれます

例句:以下参照

月うるむ青饅これを忘るまじ/石田波郷「雨覆」


5「朝寝」

参考サイト:https://biz.trans-suite.jp/10266

参考サイト:https://afun7.com/archives/14511.html

出典元:http://biz.trans-suite.jp/wp-content/uploads/2018/10/Fotolia_223559642_Subscription_Monthly_M-1024×682.jpg

出典元:https://afun7.com/wp/wp-content/uploads/2018/02/syunminakatsuki4-300×200.jpg

インフォメーション:春は寝心地がよく、たとえ十分な睡眠をとっていても、いつまでもうつらうつらと温かい寝床にくるまっていたいものです。猛浩然の「春眠暁を覚えず」出典とされていますこの句の「春眠」から派生した言葉で、春の駘蕩とした(のんびりとした)気分をあらわしています

例句:以下参照

花を踏みし草履も見えて朝寝かな/与謝蕪村「蕪村句集」

朝寝して犬に鳴かるる幾たびも/臼田亜浪「定本亜浪句集」

毎日の朝寝とがむる人もなし/松本たかし「たかし句集」


6「石鹸玉」

読み:「しゃぼんだま」

参考サイト:https://note.mu/haru_ymsk/n/nbcba49003c7b

参考サイト:https://trendripple.jp/27844.html

出典元:https://trendripple.jp/wp-content/uploads/2016/01/b9779f5a1ca10e12d445ec35045728d1-1-810×450.jpg

出典元:https://d2l930y2yx77uc.cloudfront.net/production/uploads/images/6436585/picture_pc_33dcce1a6f72451154b99eb8a7b8c1dd.jpg

インフォメーション:石鹸水をストローの先につけ、軽く息を吹き込んで泡を膨らませる遊びです。すぐに割れることもあれば風に乗って遠くまで飛ぶこともある、いかにも春らしいのどかな遊びで

例句:以下参照

向う家にかがやき入りぬ石鹸玉/芝不器男「不器男全句集」

ふりあふぐ黒きひとみやしやぼんだま/日野草城「花氷」

石鹸玉の息ゆらゆらと円かさよ/島村元「島村元句集」


7「遍路」

参考サイト:http://www.hankyu-travel.com/japan-heritage/15/

参考サイト:http://www.oideya.gr.jp/p-contest/gallery/contest09.htm

出典元:http://www.hankyu-travel.com/attending/japan-heritage/15/images/slide01.jpg

出典元:http://www.oideya.gr.jp/p-contest/gallery/image/contest09/photo02.jpg

インフォメーション:四国遍路のことで、弘法大師が巡錫した四国内の八十八か所の霊場を巡拝することを指します元来、四月の桜の頃を中心に三月から五月にかけて、白装束で納経箱、金剛杖、数珠、鈴を持ち「同行二人」と書いた笠を被りながら八十八か所を巡ります

例句:以下参照

辿りゆく尾越の風の遍路かな/五十崎古郷「古郷句集」

浜風や遍路の妻のおくれがち/高橋淡路女(雲母)

はきかへて足袋新しき遍路かな/星野立子「立子句集」


8「焼山」

読み:「やけやま」

参考サイト:http://www.city.ito.shizuoka.jp/kankou/html/event/20140207113716.html

参考サイト:http://inoues.net/club9/wakakusayama.html

出典元:http://www.city.ito.shizuoka.jp/kankou/content/yamayaki02.jpg

出典元:http://inoues.net/club9/wakakusayama090.JPG

インフォメーション:春になって害虫を駆除し牛馬の食べる若草の成長を促したり、蕎 麦畑などとするために、枯れ草を焼いた小山のことを指しますまた焼いた後の山を指すほか、現に炎を上げている山を指すこともあります

例句:以下参照

焼山の明りかざすや門の風呂/右雄「発句題叢」

山の煙かかりぬ暮の月/朝竹「発句題叢」


9「水温む」

読み:「みずぬるむ」

参考サイト:https://www.asahi.com/and_w/life/gallery/utsukusii-muracon/014.html

参考サイト:http://www.hisuinosato.com/mt/2018/03/post-2498.php

出典元:http://www.asahi.com/and_w/life/gallery/utsukusii-muracon/images/014.jpg

出典元:http://www.hisuinosato.com/mt/archives/koke201803.jpg

インフォメーション:春になって、水の温かさを増してくることを指します。それに伴って芽ぐんだ水草は成長し、水に棲 む生きものは活発に動き始めます、その様を表しています。

例句:以下参照

これよりは恋や事業や水温む/高浜虚子

水ぬるむ頃や女のわたし守/与謝蕪村「遺草」

汲みて知るぬるみに昔なつかしや/小林一茶 「西国紀行」


10「鮎汲」

読み:「あゆくみ」

参考サイト:http://www.ifarc.metro.tokyo.jp/22,21130,44.html

参考サイト:http://kigosai.sub.jp/archives/2106

出典元:http://www.ifarc.metro.tokyo.jp/images/content/21130/20180320-140053.png

出典元:http://kigosai.sub.jp/001/wp-content/uploads/ayu2018-300×225.jpg

インフォメーション:孵化した鮎の幼魚は川を下り、冬の間、海で育ち、春になると川に戻ってきます。それを一箇所に追い集め、杓や網で掬い上げますその様を表現しています。最近では日本各地の鮎漁は初夏まで禁じられています

例句:以下参照

五日経ぬあすは戸無瀬の鮎汲まん/向井去来 「一楼賦」

汲み鮎や青山高く水長し/黒柳召波 「春泥発句集」

鮎汲みや喜撰ケ嶽に雲かかる/高井几菫 「普明集二稿」


11「お水取り」

参考サイト:https://www.asahi.com/articles/ASL2X3WJYL2XPOMB004.html

参考サイト:http://www.todaiji.or.jp/contents/function/02-03syunie1.html

出典元:http://www.asahicom.jp/articles/images/AS20180301005857_comm.jpg

出典元:http://www.todaiji.or.jp/contents/function/images/function/02_2-1img1.jpg

インフォメーション:奈良東大寺二月堂における修二会の行のひとつです。三月十二日深夜、堂近くの閼伽井から香水を汲み本尊の十一面観音に供えます。この水は、天平時代より遠敷明神が若狭から送り届けるという時空を超えた霊水。これを中心に堂内外ではさまざまな祈の行法が行われます。これが終わると奈良に本格的な春が訪れるのです

例句:以下参照

水取りや氷の僧の沓の音/松尾芭蕉 「野ざらし紀行」

沓の音水の音しぬ二月堂/吉分大魯 「発句題林集」

煤あびて我も籠人お水取り/長谷川櫂 「蓬莱」


12「流氷」

参考サイト:https://www.jalan.net/news/article/138167/

参考サイト:https://www.youtube.com/watch?v=Kds36Fg4Gw8

出典元:https://i.ytimg.com/vi/Kds36Fg4Gw8/maxresdefault.jpg

出典元:https://www.jalan.net/news/img/2017/01/20170110_ryuhyo_003-670×443.jpg

インフォメーション:北の果てで氷結した海水が溶けだし、割れて海面を漂流します。この氷塊を流氷と言います。日本では一月下旬頃から三月下旬にオホーツク海沿岸にみられ、四月初旬には沖に退いて消えていきますが、一夜にして消え去ることもありますまた流氷が退き始めて船が行き交える日を地元では海明けと呼びます

例句:以下参照

草ともに氷流るる野川かな/蝶夢「草根発句集」

寝台もまた流氷のたぐひにて/長谷川櫂「天球」