2019夏の個性的厳選美術展

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2019夏の個性的厳選美術展

今年の夏も、都心の美術館では大型の企画展が開催されますが、その一方で、個性的な興味惹かれる美術展がローカル開催されます。そこでご案内します「2019夏の個性的厳選美術展」情報です。

≪ノミネートリスト≫

1「須賀川CCGA現代グラフィックセンター」

2「千葉ホキ美術館」

3「金沢21世紀美術館」

4「町田市立国際版画美術館」

5「茨城県近代美術館」

6「山梨県立美術館」


1「須賀川CCGA現代グラフィックセンター」

出典元:http://www.dnp.co.jp/gallery/ccga/image/mainimg_slider_02_pc.jpg

美術館概要:以下参照

CCGA現代グラフィックアートセンターは、19954月、ギンザ・グラフィック・ギャラリー ggg、京都dddギャラリーの運営を通じてグラフィックアートへの貢献を長年つづけてきた大日本印刷が、福島県須賀川市の緑豊かな宇津峰山麓に開設した小さな美術館です。20087月以降は、大日本印刷が設立したDNP文化振興財団によって運営されています。CCGAの役割は、美しい自然環境に恵まれ、美術品の保存に適したこの地で、グラフィックデザインやグラフィックアートの優れた作品や資料を貴重な文化遺産として次世代に継承するためのアーカイブ・センター。コレクションの柱は、アメリカ現代美術史を彩るアーティストたちが版画工房タイラーグラフィックスとのコラボレーションで制作した版画作品群「タイラーグラフィックス・アーカイブコレクション」と、国際的に高い評価を得ている日本の現代グラフィックデザインの秀作を一堂に集めた「DNPグラフィックデザイン・アーカイブ」の2つです。

所在地:962-0711 福島県須賀川市塩田宮田1

問合せ:0248-79-4811

公式サイト:http://www.dnp.co.jp/gallery/ccga/

展覧会名:「DNPグラフィックデザイン・アーカイブ収蔵品展VIII.蔵出し 仲條正義」

出典元:http://www.dnp.co.jp/gallery/exhibition/exhibition_images/IMG_1_00000744.jpg

基本情報:(公式サイトより)

日本のグラフィックデザイン界において独特の光を放つ存在、仲條正義(1933-)は、資生堂の企業文化誌『花椿』のアートディレクションや、資生堂パーラーのロゴ・パッケージのデザインで広くその名を知られています。彼の作品は非常に力強く、ただの「モノ」を超えたある種の力場が内包されているように感じられます。それは、仲條自身が「円、方形、直線、すでに美しいとされるものは信じてはいけない」と述べている通り、既存の価値観を妄信することなく、常に他者や自分自身にすら疑問を持ち、時には矛盾や他者からの誤解をも恐れないで新しい表現を追求し続けるという姿勢から生まれるものではないでしょうか。そこから創出された作品の持つ「力」は、今なお若いデザイナーやクリエイターたちをもひきつけてやみません。本展では、グラフィックデザインをはじめ編集・広告・アートディレクションなど、多方面で活躍する仲條の仕事の中から、ポスターを中心に展示します。1970年代に開催された初個展の出品作品から最近作に至る約半世紀を展観し、彼のデザイン世界の軌跡をたどります。また仲條が約40年間にわたりアートディレクションを手掛け、先鋭的なカルチャー誌というイメージを作り上げた資生堂『花椿』誌の一部もあわせて展示します。新古や美醜、巧拙といった二元論的評価の枠には収まらない、仲條デザインのもつ独特の世界観に触れる機会となりましたら幸いです。

主な展示作品:以下参照

1973《スタジオ》

出典元:http://www.dnp.co.jp/gallery/schedule/schedule_images/IMG_2_00000744.jpg

 

2009《仲條服部八丁目心中「髑髏」》

出典元:http://www.dnp.co.jp/gallery/schedule/schedule_images/IMG_5_00000744.jpg

 

2017《仲條正義 IN & OUT, あるいは飲&嘔吐「Mother & Others」》

出典元:http://www.dnp.co.jp/gallery/schedule/schedule_images/IMG_7_00000744.jpg

開催期間:2019615日~98

開催時間:午前10時―午後5時(入館は午後445分まで)

休館日:月曜日 (715日、812日は開館)、716日、813
*会期前610日(月)―14日(金)および会期後99日(月)―13日(金)は展示替え休

関連料金:入館料一般=300円/学生=200
小学生以下と65才以上、および障害者手帳をお持ちの方は無料

作家:「仲條正義」

生年月日:193354東京生まれ(20196月現在・年齢 86)

DENTO HOUSE公式サイト:http://dento-house.com/jp/

参考サイト:http://npo-plat.org/nakajo-masayoshi.html

出典元: http://dento-house.com/20140119/images/nakajo.png

現況:以下参照

仲條正義は現在、建築家のお嬢様が設計した瀟洒な自邸の一室を仕事場に、悠々自適に仕事をなさっています。そして、服部一成さんのブックデザインで600ページ余におよぶ作品集が進行中で86歳という年齢であるにも関わらず、これだけデザインを面白がられる人生って、なんとすばらしいのだろう。仲條のデザインの魅力は、今やグラフィックスの主流である写真やCGめったに使わ、代わりに自らの手描きによる文字やイラストと、色彩を自在に操る独特のセンスにあります。それらはご本人がおっしゃるように「主流を目指していない」のだが、片隅からこぼれてくる光のようにキラッとした輝きを放ちます。あるいは変化球を突然投げてきて、こちらをハッとさせる・・・そんな油断のならない存在感を創り出します。別の言い方をすれば、まさに時間や場所、年齢や性別、文化的境界を自由に越境する無国籍でタイムレスなデザインと言えます。タイムレスというのはロングライフといった概念ではなく、50年前も、現在も、そして50年後も、今その瞬間に輝きを放つという意味です。考えてみれば、仲條と同世代には、田中一光、杉浦康平、福田繁雄、横尾忠則和田誠など、戦後のグラフィックデザイン界に大きな足跡を残した巨匠が綺羅星の如く存在します。そしてみんなが独自の表現世界を切り開いていらっしゃる。時代は昭和から平成へ、さらに新しい令和年号に代わり、成熟・定常化社会へ移行しつつある現在、デザイン=グラフィクスの役割や期待も大きく変わることになるでしょう。しかし近年、一定の役割を果たした後に「作品」として後世に伝えたい、伝えるべきデザインはどのくらい誕生しているでしょうか・・・。グラフィックデザインは消費の渦に飲み込まれてしまうのだろうか? 仲條の圧倒的な作品群を目の当たりにすると、現代の最新デザインには、そんな疑問・危惧がわいてきます

作家プロフィール:以下参照

1933年東京生まれ。1956年東京藝術大学美術学部図案科を卒業後、資生堂宣伝部、デスカを経て1961年仲條デザイン事務所設立。主な仕事に40年以上にわたった資生堂『花椿』誌のアートディレクション及びデザイン、ザ・ギンザ/タクティクスデザインのアートディレクション及びデザイン、資生堂パーラーのロゴタイプ及びパッケージデザイン、東京銀座資生堂ビルのロゴタイプ及びサイン計画、松屋銀座、スパイラル、東京都現代美術館、細見美術館のCI計画、またNHK Eテレ「にほんごであそぼ」のカルタイラスト、『暮しの手帖』誌の表紙イラストなど、グラフィックデザインを中心に活動。東京ADC会員最高賞、東京TDC会員金賞、JAGDA亀倉雄策賞、毎日デザイン賞、日本宣伝賞山名賞、紫綬褒章、旭日小綬章ほか受賞多数。東京ADC会員、JAGDA会員、東京TDC副理事長、TIS会員、女子美術大学客員教授。


2「千葉ホキ美術館」

出典元:https://www.hoki-museum.jp/about/img/img_04_01.jpg

ホキ美術館概要:以下参照

ホキ美術館は世界でもまれな写実絵画専門美術館として、2010113日に千葉市緑区に開館しました。そのコレクションは、保木将夫が収集した写実絵画作品、約480点から成っています。千葉市最大の公園である緑ゆたかな昭和の森に面した、地上1階、地下2階の三層の計500メートルにわたる回廊型ギャラリーでは、日本最大の森本草介コレクション36点をはじめ、野田弘志、中山忠彦など、約60名の現代作家による写実の名品約150点を、常時ご覧いただくことができます。一部鉄骨造によって空中に浮かせ、窓からは森が見渡せるギャラリーもあります。また、地下2階ではホキ美術館のための描きおろしを中心とした100号以上の大作「私の代表作」を展示しています。写実絵画コレクションのために設計された、ピクチャーレールのない展示室、天井に埋め込まれたLEDとハロゲンの照明、床には長時間の鑑賞に疲れないゴム素材を採用するなど、絵画鑑賞に最高の設備を備えた最新鋭の美術館で、どうぞごゆっくりと一枚の絵に向き合い、写実の美の世界をご堪能ください。また、美味しい食事とワインが楽しめるイタリアンレストランと、カフェも併設しています。

所在地:267-0067 千葉県千葉市緑区あすみが丘東3丁目15

問合せ:043-205-1500

設立年:2010113

現館長: 保木博子

公式サイト:https://www.hoki-museum.jp/

参考サイト:https://www.chibacity-ta.or.jp/events/event/spain_shajitsu_meam_hoki

展覧会名:「企画展 スペインの現代写実絵画―MEAM

出典元:https://www.chibacity-ta.or.jp/wp-content/uploads/2019/02/951c33e63b376203f86345f222bde843.jpg

基本情報:ホキ美術館では2010年の開館以来初めて海外の美術館の作品59点を紹介する企画展「スペインの現代写実絵画」を開催いたします。本展はバルセロナに2011年に開館し、積極的に現代の具象絵画(フィギュラティブアート)の展示を行っているヨーロッパ近代美術館(MEAM)のコレクションを紹介するものです。MEAMは国際的な作品を扱っておりますが、今回は30歳代から70歳代まで、現在活躍するスペインの59作家の59作品を4つのギャラリーに展開してご紹介いたします。展示作品にはMEAMの母体となるFundacion de las Artes y los Artistas財団により2006年から開催されている「FIGURATIVAS」のコンテストで入賞した作品はもとより、大賞受賞作も含まれます。今、世界でも写実絵画が盛んなのはスペインと日本と言われております。ホキ美術館は2015年頃よりMEAMとの交流を続け、昨年秋にはホキ美術館のコレクション60点をバルセロナにてご紹介いただき多くの方々に日本の写実絵画をご覧いただくことができました。17世紀のディエゴ・ベラスケス、18世紀のフランシスコ・デ・ゴヤをはじめ、現代のアントニオ・ロペス・ガルシアまで脈々と受け継がれている写実の伝統をもつスペイン。日本にもその影響を受けている写実作家が数多くいます。画家の主張がダイレクトに伝わる個性豊かなスペインの写実作品の数々を是非間近にご高覧ください。日本の写実作品との違いもお楽しみいただけます。

主な展示作品:以下参照

《ジェネレーション@》2015年 マリア・ホセ・コルテス作

出典元:https://www.hoki-museum.jp/exhibition/img201905/img_spain_07_1.jpg

男女ふたりが映像とチャットで通話するパソコン画面は私たちが他人から受けたり、他人に与える姿が「デフォルメ」して歪んでいることを表している。緑色の文字と画像が断片化したピクセルはパソコンの映像不明瞭や画像の乱れが起きた時に現れる。私たちの交流の仕方や情報が、時には正確さに欠け一部だけであったり、人目をひくものであったり、過少評価であったりする。それらを作品で表現している。

 

《眠らない肖像》2007年 ゴルチョ(ミゲル・アンヘル・マヨ)

出典元:https://www.hoki-museum.jp/exhibition/img201905/img_spain_09_1.jpg

独学の画家で、その作品は新・リアリズムの流れに位置づけられる。1968年から1978年まで激動するパリに暮らし、スペイン帰国後は、アンドレス・ガルシア=イバニェス、ディノ・ヴァイス、アントニオ・ロペスなどの著名な画家たちと共に芸術グループ「ガジーナ・シエガ(目隠し鬼ごっこ)」を結成し、リアリズムの表現技法を探求してきた。人間の表現に心を引かれ、色彩の微妙な変化に調和を見出すとともに、グワッシュや絵の具を重ね、作品支持体の裂け目を利用しながら、極めて質の高い作品を描き上げている。

《ピアスをつけた若い女性》2006年 エドゥアルド・ナランホ作

出典元:https://www.hoki-museum.jp/exhibition/img201905/img_spain_12_1.jpg

現代の若い女性のイメージを空想で描いた作品である。ファッションや、振る舞いや感性まで想像して作り上げ、無意識に、それらを表現した。その他は、私の他の作品に例外なく見られるオニリスム(夢魔的)である。

《ポートレートNo.5 2013年 ハイメ・バレロ作

出典元:https://www.hoki-museum.jp/exhibition/img201905/img_spain_13_1.jpg

(作者談)大型の女性肖像画であるが、この作品でも私の作品に不可欠な「水」の表現を用いた。2012年から取り入れた新たな制作方法により肌の色彩や色調の幅が極度に広がり、絶妙に繊細な寒色や、完璧に調和のとれた洗練された暖色にまで到達できるようになった。横構図で圧倒する表現でありながら、謎めいたモデルによって、作品が丸みを帯びて完成している。 本作品は2013年の「FIGURATIVAS」コンクールで審査員特別賞を受け、それ以来MEAMの展示室で、私の代表作のような意味合いのものになった。

開催期間:2019517日~91

開催時間:10001730

開催箇所:ギャラリー2367

休館日:火曜日

関連料金:一般 1800高校生・大学生・65歳以上 1300中学生 900小学生以下 無料(大人1人につき小学生2人まで)


3「金沢21世紀美術館」

出典元:https://www.kanazawa21.jp/file.php?g=57&d=1&n=image&gp=&lng=j&p=

HPより)金沢21世紀美術館は、今年開館15周年を迎えます。当館は、現代美術の新しい動向を絶えず注視し、国際的な視野に立って、収集と展示を行い、市民や来場者とともに歩む交流の場として、様々な取り組みを重ねてきました。本年は、春から夏にかけて、ブラジルに移民した日本人の両親のもとにサンパウロで生まれた画家大岩オスカールによる、光あふれる大胆な空間構成で現代社会を生き生きと描いた絵画を、またデザイナーの枠に収まらない幅広い活躍をした粟津潔の斬新なデザイン概念の広がりを、どちらも個展でご紹介します。秋以降は、開館15周年を記念して、コレクションをもとに全展示室を駆使した「現在地:未来の地図を描くために」展を開催します。当館には、従来の分野に収まらない空間表現(インスタレーション)が数多く、いずれも現代の多様な価値観を反映するものばかりです。そうした15年の蓄積を、新たな切り口で再構成します。年度末には、注目を集める岡田利規が美術家の金氏徹平とコラボレーションし、演劇を展示室で行う挑戦的な仕掛けも予定しています。

所在地:920-8509 石川県金沢市広坂1丁目21

問合せ:076-220-2800

公式サイト:https://www.kanazawa21.jp/

参考サイト:https://www.museum.or.jp/modules/im_event/?controller=event_dtl&input[id]=93049

展覧会名:「大岩オスカール 光をめざす旅」

出典元:https://www.museum.or.jp/uploads/imdb/file/event/00093049/00093049.jpg

基本情報:(HPより)

大岩オスカールは、光あふれる鮮やかな色彩とダイナミックな空間構成によって、ときに批評やユーモアを交えながら現代社会を生き生きと描き出してきました。1965年にブラジルのサンパウロで日本人の両親のもとに生まれ、東京、ニューヨークと移動しながら制作を続ける大岩の作品には、一人の生活者としての視点と、どこか客観的な俯瞰の視点が共存しています。自らの暮らす都市や社会、環境問題をテーマに、写真や印刷物、インターネット上のイメージを自在に組み合わせることで、現実と虚構、人工物と自然、光と影のあいだで揺らめく独特の世界観を生み出しているのです。本展覧会では、近作を中心とした60点あまりの作品と、金沢21世紀美術館の27メートルの壁面に描かれるドローイングを通して、大岩のヴィジョンに迫ります。また、ゲストアーティストとして作曲家のチャド・キャノンを招き、画家の作品からインスピレーションを得て生み出された壮大な交響曲と絵画の融合を試みます。大岩が世界を旅しながら絵画の中に追い求めてきた「光」は、今を生きることの複雑さの先にある希望を思い起こさせてくれるでしょう。

主な展示作品:以下参照

《ゴースト・シップ》2014年作

出典元:http://www.kanazawa21.jp/file.php?g=45&d=1768&n=image-3&gp=3&lng=j&p=1

2002年からニューヨークで暮らす大岩は、毎朝地下鉄に乗ってスタジオに通い、夕方まで制作して帰宅、夜は自宅のパソコンに向かってまた仕事をするという規則正しいサラリーマンのような生活を送っています。そんな大岩が、自らの暮らすニューヨークを俯瞰で捉え、街を流れる目に見えない電波のイメージを重ねたのが「ワールド・ワイド・ウェブ・ウェーブ」シリーズです。ハドソン川に残る廃墟をモチーフに描かれた《ゴースト・シップ》では、夜のニューヨークを背景に波に浮かぶ巨大な船が現れます。

《大サーカス》2011年作

出典元:http://www.kanazawa21.jp/file.php?g=45&d=1768&n=image-4&gp=4&lng=j&p=1

大岩がニューヨークに渡った2002年は、アメリカ同時多発テロ事件の翌年で、日常生活の平和とは裏腹に、アメリカはイラクとアフガニスタンで戦争を始めていました。その後リーマンショックが起こり、オバマ政権の誕生で「希望」が見えたのも束の間、トランプ政権の発足により、アメリカは混迷を極めています。こうした状況を見つめてきた大岩は、バーベキューやサーカス、夢といった身近な主題を通じて、政治や社会の混乱をあぶり出そうとしているかのようです。

《北千住》2010年作

出典元:http://www.kanazawa21.jp/file.php?g=45&d=1768&n=image-5&gp=5&lng=j&p=1

生まれ故郷のサンパウロ、1991年から11年間暮らした東京、その後移り住んだニューヨークと、世界を転々としてきた大岩の人生は、旅そのものと言えます。そしてそれぞれの場所で目にした風景やモチーフが作品に取り込まれてきました。昭和の下町の趣を残す北千住や、瀬戸内海に浮かぶ男木島、アジア諸国といった様々な場所が、どこか郷愁を漂わせるタッチで描き出されます。また、愛らしいドローイングの数々が、旅人生の一こまを彩ります。

《キノコの森》2016年作

出典元:http://www.kanazawa21.jp/file.php?g=45&d=1768&n=image-6&gp=6&lng=j&p=1

サンパウロで過ごした少年期から、うまくいかない世の中を目の当たりにしてきた大岩は、大気汚染や海洋汚染といった環境問題、そして自然災害という不条理と向き合いながら制作を続けています。重々しいテーマを扱いながらも、鮮やかな色彩や光が感じられる画面は、かすかな希望を宿しているようです。この章では、作曲家チャド・キャノンが大岩の作品にインスピレーションを得て生み出した壮大な交響曲と絵画の融合も試みます。

《渦巻》2018年作

出典元:http://www.kanazawa21.jp/file.php?g=45&d=1768&n=image-7&gp=7&lng=j&p=1

大岩の作品において、「光」はもっとも大きなテーマです。強い光のもとで色と形がはっきり分かる錐体細胞と、暗所で物の形は分かるけれど色は分からない桿体細胞という、人間の網膜上にある2種類の細胞に着目した大岩は、後者の細胞を使って絵を見せることを考えました。洋金箔や洋銀箔、ラメやLEDライトなど光を表現するための様々なメディウムを用いて制作された絵画を、暗がりの展示室でご覧いただきます。

5つの巣》2012年作

出典元:http://www.kanazawa21.jp/file.php?g=45&d=1768&n=image-8&gp=8&lng=j&p=1

展覧会を締めくくるのは、緑や青や黄色を用いた光にあふれる作品群です。舞台はアマゾンの熱帯雨林やサンパウロの川、どことも判別のつかない森など様々ですが、どの作品にも見る者を包み込むような柔らかな光が降り注いでいます。本展のための新作《光をめざす旅》は、大岩の語る「幸せになりたいのだったら、自分の中で自分が目指せる光を育てていくのが大事」という姿勢をみごとに絵画化したものといえるでしょう。

開催期間:2019427() 825()

開催時間:10001800(金曜・土曜は10002000

休館日:月曜日

関連料金:一般1200円・大学生800円・小中高生400

出典元:http://www.kanazawa21.jp/file.php?g=45&d=1768&n=image-1&gp=1&lng=j&p=1

作家「大岩オスカール」プロフィール:以下参照

1965年ブラジル、サンパウロ生まれ。1989年サンパウロ大学建築都市学部卒業。1991年東京に活動の拠点を移す。1995年デルフィナ・スタジオ・トラストのアーティスト・イン・レジデンスにてロンドンに滞在。2001年アジアン・カルチュラル・カウンシルおよびジョン・サイモン・グッゲンハイム記念財団フェローシップの助成を受け、2002年ニューヨークに拠点を移し、現在ニューヨーク在住。主な展覧会に、1991年「第21回サンパウロ国際ビエンナーレ」、1998年「エデンの園」(上野の森美術館EXTRA)2008年「大岩オスカール 夢みる世界」(東京都現代美術館)、2011年「大岩オスカール」(ブラジル国立美術館)、2018年「終わりのむこうへ:廃墟の美術史」(渋谷区立松濤美術館)等がある。

OSCAR OIWA公式サイト:http://www.oscaroiwastudio.com/

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